ポーカーにおいて「スリーカード」とは、文字通り同じカードが3枚揃うと成立する役のことを指します。ワンペア、ツーペアに次いで弱いためあまり強くない役と思われがちですが、ストレート以上の役は揃いにくいためかなりの強役と言われています。
このページでは、スリーカードとはどんな役なのか、どれくらいの強さなのかという基礎的な部分から、スリーカード同士の勝敗、スリーカードの確率、この状況ではスリーカードでどう戦うべきか? など、スリーカードの戦略まで踏まえて分かりやすく解説します。
この記事のまとめ
- スリーカードの強さはポーカーの役の中で7番目
- スリーカードが出る確率は約2.1%とかなり低い
- 状況によってスリーカードの価値は大きく変わるので適切な戦い方を判断することが大事
この記事はおよそ 5分 で読むことができます。時間がない方は目次を活用しましょう
スリーカードとは
ポーカーにおいて、「スリーカード」とは、その名前の通り同じ数字が3枚揃った役のことを指します。残りの2枚はどの数字でもOKです(が、残りの2枚がペアの場合はフルハウスという役になります)。
ただし、スリーカードは日本だけで使われている名前であり、英語圏では「スリー・オブ・ア・カインド」と呼ばれるため注意が必要です。
スリーカードの例
「4♦・4♥・4♠・Q♣・K♣️」
「2♦・5♥・A♠・A♣・A♦️」
のように、同じ数字のカードが3枚揃うことでスリーカードが成立します。残りの2枚は何の数字であってもOKです。
なお、
「7♦・7♥・7♠・7♣・J♣️」
のように、残りの2枚のうちスリーカードの数字が揃い、同じ数字のカードが4枚になると「 フォーカード」という役になります。
また、
「A♦・A♥・Q♠・Q♣・Q♦️」
のように、同じ数字のカード3枚と別の数字のペア2枚が揃うと「フルハウス」という別の役になるので注意しましょう。
スリーカードの強さ
ポーカーにはハイカードを含め10種類の役がありますが、そのうちスリーカードは7番目に強い役に当たります。
ワンペアやツーペアなどに勝つことができるものの、フラッシュやストレートなどには負けてしまいます。
そのため、あまり強くないようなイメージを持つ方も多いのですが、ストレート以上が成立する確率はかなり低いので、実は相当な強役です。
とはいえ、ボードでフルハウス・フラッシュ・ストレートが作りやすい状況である場合は、ある程度様子を見る必要があると言えるでしょう。
スリーカード同士の勝敗
ボードにペアが揃っているなどのシチュエーションにより、プレイヤーがスリーカード同士で勝負する状況はよく見受けられます。そこで、同じスリーカードであればどのように勝敗が決まるのか? について解説します。
ただし、ここではカードの数字の強さが重要な役目を担うので、まずはじめにカードの強さについて覚えておくと便利です。
(弱い)2<3<4<5<6<7<8<9<10<J<Q<K<A(強い)
異なる数字の場合
まず1つ目のルールが、「2人のカードを比較して、より強い組み合わせのスリーカードを持っている方が勝ち」です。例えば、
自分「Q♦・Q♥・Q♠・8♣・4♣️」
相手「A♦・A♥・A♠・6♣・3♦️」
という組み合わせの場合、自分がQのスリーカード、相手がAのスリーカードを持っているので、相手が勝つことになります。
ほとんどの場合この時点で決着が付くため、大きい数字であるほど有利と言えるでしょう。
同じ数字の場合
もし、スリーカードが同じ組み合わせの勝負だった場合は、残った2枚のカードのうちランクが上の方で勝負が決まります。このカードをキッカーと言います。例えば、
ボード「Q♦・Q♥・2♦️・4♥・6♣️」
自分「Q♣️・8♠」
相手「Q♠︎・3♦️」
という組み合わせの場合、両方とも同じQのスリーカードなのでキッカーを比較します。
キッカーは自分が8、相手が(ボードの)6なので、自分が勝つことになります。
もしキッカーも同じ数字だったら残り1枚で比較します。それも同じであれば引き分けとなり、ポットは半分ずつに分けられます。
スリーカードが出る確率は約2.1%
スリーカードはどれくらいの確率で出現するのでしょうか? ここでは、最初の5枚でスリーカードが完成する確率について計算します。ドローポーカーなら最初の手札でスリーカードが揃う確率、テキサスホールデムならフロップまでにスリーカードが揃う確率です。
(Cは組み合わせを示す記号です。例えば4C2であれば、異なる4つの物から2つを選ぶ組み合わせのことを指します。)
まず、52枚のカードから任意の5枚のカードを引く場合の数は、52C5=2,598,960通りです。
このうち、スリーカードが成立する組み合わせは
- 13個の数字からスリーカードになる数字を選ぶ組み合わせ … 13
- スリーカードのスートを3つ選ぶ組み合わせ … 4C3
- スリーカード以外の2枚を残り48枚から選ぶ組み合わせ… 48C2
ただし、この数え方だとフルハウス(3,744通り)もカウントされてしまうため、それを除いて
13× 4C3 × 48C2 – 3,744 = 54,912 通り
これを全体の場合の数で割ると
54,912 / 2,598,960 = 0.0211… = 約2.1% となります。
こう見ると、フロップまでにスリーカードが完成する確率はかなり低いため、勝負しやすい手と言えるでしょう。
なお、テキサスホールデムは最終的に7枚のカードの中から5枚を選ぶため、スリーカードの確率は約4.8%となります。
スリーカードの状況別の戦略
スリーカードは、上から数えて7番目の役であるものの、勝負する価値のあるランクの役であるということを今まで説明してきました。
しかし、フルハウス・フルハウス・ストレートといった強い役では負けてしまうため、そういった役が出そうな状況では大勝負を避けるべき手でもあります。
そこで、最後の項目ではスリーカードの状況別の戦略について解説します。この状況ではスリーカードは有利なのか、積極的に勝負していくべき場面なのか、などについて詳しく説明します。
セット
手札2枚とコミュニティカード1枚で作るスリーカードを「セット」と言います。例えばプレイヤーがJのポケットペアを持っていて、ボードにもJが出たという場合です。
この時、周りはスリーカードを持っているということに気が付きにくいです。そのため、あまり警戒されず周りもコールやレイズなどで乗ってくれることが多くなります。ショーダウンしても勝率がそれなりに高いハンドの場合は、積極的にバリューベットを打つと良いでしょう。
トリップス
手札1枚とコミュニティカード2枚で作るスリーカードのことを「トリップス」と言います。つまり、トリップスが成立するボードには必ずペアがあるということになります。
そうなると、相手もスリーカードを持つ可能性がある上に、フルハウスといった強役が成立する可能性が高くなってしまいます。ナッツの可能性が高いセットとは異なり、トリップスは相手もトリップスになることがあるためキッカー勝負までもつれ込む危険性が高くなることに注意しましょう。
ボードに同じスートや連続した数字があるとき
ボードに同じスートが多くある場合、相手がフラッシュになる可能性があります。また、連続した数字がある場合はストレートになる可能性が高くなります。
このような上位役を狙いやすいボードのことを「ウェットなボード」などと言いますが、ボードがウェットになっている時はスリーカードの価値は相対的に低くなってしまいます。この時は慎重に勝負するのが良いでしょう。
逆に言うと、そういった上位役が狙えないようなバラバラなスートや数字(ドライと言います)がボードに揃っている場合は、スリーカードの価値は目に見えて高くなります。この時は勝負の大チャンス! ナッツの可能性も高いので積極的にアクションを起こすと良いでしょう。
まとめ
ポーカーにおける「スリーカード」は、同じ数字のカードが3枚揃うと成立する役で、ワンペアやツーペア以外の役と勝負しても勝つことはできません。
しかし、ストレート以上の役が揃うのはかなり困難なので、実は自分の持っていたスリーカードがナッツだった…ということがありがちです。
そのため、スリーカードが完成した場合は、それ以上の役が出やすいボードかどうかを注意深く観察する必要があります。
特にペアが揃っていたり、同じスート・連続した数字といったウェットボードでは慎重に勝負し、バラバラのスートや数字だった場合は積極的に勝負するなど、場合に応じて使い分けていくことが勝率を上げ勝利額を増やすコツと言えるでしょう。
Bell
(ウィナーズクラブ管理人)
スリーカードはポーカーの役の中で7番目に強い役です。スリーカードより強い役が揃うのはかなり珍しいので状況によってスリーカードはとても強い役となります。この記事ではどういう場合のスリーカードが強いか等の状況別の戦略を解説していますので参考にしてください。