海外競馬における格付け・賞金について
アメリカやイギリスの競馬において
同じグレードの競争でも、賞金に多大な格差があるのは何故ですか?
例えばアメリカ競馬では
最も賞金額が低いのが「オーサムアゲインステークス」等で30万ドル
最も賞金額が高いのが「ペガサスワールドカップ」で300万ドル
同じ「格付け」であるG1レースでも
10倍以上の賞金の差があります
30万ドルって、なんでアメリカのG1レースなのに
日本のG3と同じぐらいの賞金しか貰えないのでしょうか?
同じ格付けにも関わらず
ここまで賞金額に差があるのは何故でしょうか?
もちろん、同じG1レースであっても
伝統や実績によって、多少の「格」の違いがあるのは理解できますが
10倍はさすがに「差があり過ぎじゃない?」と感じます
アメリカだと、賞金額の安いG1レースは
勝ってもあまり意味が無いのでしょうか?
栄誉にはならないのでしょうか?
G1レースって、1つ勝つだけでも凄く栄誉な事だと思っているのですが
アメリカやイギリスは
それに見合う評価や賞金をちゃんと与えているのでしょうか?
日本のG1レースの場合
最も賞金額が低いのが「阪神ジュベナイルフィリーズ」で6500万円
最も賞金額が高いのが「ジャパンカップ」で3億円
最大でも約5倍の差ですし
そもそも、賞金が1億円以下のG1レースは4つのみで
ほぼ全てのレースで1億円前後の賞金が出るため
G1レースの平均的な金額と、ジャパンカップでは
賞金の差は、大体3倍程度の差しかありません
日本と海外競馬の違いに、カルチャーショックを受けてます
同じパートI国の筈なのに
この落差はいったいどういう事なのでしょうか・・・
回答
goh********:
考え方が逆なんです。
日本の場合、日本中央競馬会という統一された組織が、中央競馬の競馬場をすべて一括して経営をしています。そして、その中で売り上げが最も高くなるようにするにはどういうスケジュールでレースを開催すればよいか。良い馬が集まるように賞金設定をすればよいか、ということを考えています。
例えば、日本で賞金が最も高いジャパンカップと有馬記念。
1990年代までは、天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念の賞金はほぼ同額でした。
ところが、天皇賞、有馬記念は旧八大競争と言われ歴史があり、ジャパンカップは歴史がない。しかも、ジャパンカップは強い外国馬がやってきて勝てる可能性も低い。なので、天皇賞と有馬記念の2戦に集中しよう、とジャパンカップを回避する有力馬が多くいました。
そこで、JRAはジャパンカップの賞金額を一気に増額し、日本の有力馬の出走を促すことにしました。その結果、ジャパンカップに有力馬が出走することが増えました。
……が、今度はトリッキーなコースで、賞金もジャパンカップより安い有馬記念を回避する馬が増加。有馬記念は、JRAとしては最も売り上げの多いドル箱レースですから、有力馬に出走してほしい。なので、有馬記念もジャパンカップと同額の賞金に増額しました。
金額に関しては、このような経緯があります。
これは、JRAは10の競馬場を一括して経営しているからこそできる方策と言えるわけです。
一方、海外の競馬場というのは、一応の連絡組織はありますが、それぞれの競馬場に、それぞれ経営者がいて、それぞれの考え方の元でレーススケジュールを作り、レースを開催しています。
ですので、A競馬場は売上が潤沢なので賞金も沢山出せる。B競馬場は売り上げが芳しくないので、賞金も安い。みたいなことが起こります。
ただ、それぞれの競馬場で独自のレーススケジュールを作っているので、それぞれの競馬場で、最も格上のレースとか、それほど格の高くないレースというのは存在します。
そうなると問題となるのが、A競馬場のそれほど格上でないけど、賞金額がそこそこのレースを勝った馬と、B競馬場の最上級だけどあまり賞金額が高くないレースを勝った馬。どちらが優秀? ということになります。基準が違うので、比較が難しくなるわけです。
そこで、賞金額とは関係なく、レースタイムであるとか、出走馬の過去の実績であるとか基準にしてレーティングをつけ、そのレーティングに応じてG1とか、G2とかという風に格付けを行っているのです。
日本の場合、JRAという統一組織があり、その下で潤沢な賞金が用意されているので、賞金額でオーナーが儲ける、というのもよくあります。
しかし、海外では競走馬として「賞金で」儲けることよりも、格の高いレースを勝たせ、種牡馬などの繁殖用の馬として高く売ることで儲ける、というのが基本です。
そのため、良血馬は生まれたころからの種牡馬候補として高額で取引され、その期待に見合った成績をあげればそこで引退。種牡馬などとして高額で売却される。
逆に血統の悪い馬は、その時点で物凄く安く取引され、いくら活躍しても種牡馬として高額になることはほぼない、ということが起きます。
2010年~2012年にヨーロッパで14戦14勝、G1レース10勝という成績を残したフランケルは生涯獲得賞金は約300万英ポンド。日本円換算では現在のレートで4億6000万円くらいです。
しかし、種牡馬として総額1億ポンド(日本円で120億円)とディープインパクトの倍以上の超高額シンジケートが組まれました。
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- 競馬場単位、という事なのですね
確かに日本と違ってアメリカの国土は広大です
例えば、西海岸の馬が東海岸の競馬場へ行ったりするのは
確かに難しいですよね
実質、海外挑戦と同じぐらいの長距離移動をする訳ですから
ただ、だからこそ
各地域でレースの「格」に齟齬が出ないように
グレード制という「統一規格」を作って運用している
と、思っていたのですが・・・・
つまり、評価の基準が
「G1をどれだけ勝ったか」ではなく
「どのレーティングのレースを勝ったか」で
評価が決まる、という事ですよね?
でもそれって、グレード制の意味あるのかな・・・?
元から格の高いクラシックレースとかならともかく
そんなやり方だと
新しいG1レースが創設されても
ファンに定着しないんじゃないですかね?
G1レースの「格」が毎年ほぼ変わらず
ずっと安定している日本とは
あまりにも仕組みが違いすぎますね・・・
夏が大嫌い:
アメリカはG 1レースが年200くらい開催されるとか
欧州では英仏愛の3ヵ国合わせると秋シーズンだけで40?
だったかな、なんしか10月はG 1レースがぎゅうぎゅう詰に
なってる《毎週ブリーダーズカップやってるような感じ》
ですので一部超G1レース以外は《クラシック、凱旋門等》
グレードはG1だけど日本の地方開催のG3程度の扱いに
なってると思います《小倉、中京、新潟、函館とかの》
日本も各競馬場が自主開催、という体になれば同じような
現象は起きるかもしれない
それと馬主はまず儲かりません、消費するだけの道楽
一部の金持ちが王侯貴族のマネして社交の道具にしてるだけ
富豪の嗜み。
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- 調べてみると
流石に200は言いすぎですが
アメリカのG1レースは年間で100~120
イギリスのG1レースは障害も合わせると60以上あるようです
国土の問題もあるとはいえ、日本とは桁が違いますね
粗製乱造されたG1レースにどれほどの価値があるというのか
国際基準っていったい何なんでしょうね・・・?(´・ω・)
kiryu:
世界が低いというより、日本が特殊だと考えて良いと思います。
日本の場合、賞金は主に馬券売上を原資としています。
馬券は主催者であるJRAが独占的に販売しているため、馬券売上がそのままJRAに入ります。
これは世界的に見ても稀なシステムです。
(海外では主催者ではなくブックメーカーが馬券を売るケースが多いです)
年間3兆円にのぼる馬券売上という潤沢な原資が確保できていること、関係者への還元という意図もあり、日本では全体的に賞金が高めに設定されています。
一方で海外レースでは前述のとおり主催者でなくブックメーカーが馬券を売るケースが多く、馬券売上がそのまま主催者に入ってくることはほぼありません。
じゃあ賞金はどこから出ているのかというと、
・スポンサーからの出資
・ブックメーカーから納められる馬券売上の賦課金
・レースへの出走登録料
・競馬場への入場料などの売上収入
などによって賄われており、スポンサーからの出資金を主な原資としています。
一応馬券売上(の賦課金)も入っていますが、あくまで売上の一部でしかなく、日本のように賞金の原資とできる規模ではないようです。
以上の経緯により、レースのスポンサーによって賞金額に大きく差が出たり、スポンサーがつかないレースでは原資が確保できず、賞金額が低くなっています。
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- なるほど・・・賞金の違いは
収益構造の違いによるものである、というのは理解出来ました
では、レースとしての「格」や、勝った競走馬への「評価」
という観点ではどうなのでしょうか
G1レースを3~4勝するような強い馬であっても
総賞金が2億円にすら届かない
という事もあり得るわけですよね?
そういった場合でも
ちゃんとG1を複数勝った馬として評価されるのでしょうか?
賞金額とレースの”格”は無関係なのでしょうか?
また、G1レースの賞金がここまで低いとなると
レースの賞金から得られる利益も当然少なくなる訳で・・・
馬主はちゃんと経営を維持できているのでしょうか?
特に馬主は収益の大部分をレース賞金で賄っていると思うので
レース賞金額がここまで低いと
もの凄い赤字になっていそうな感じがするのですが