成り行きで、男との共同生活が始まって今日で5日目だ。初日稼いだ金も殆ど無くなったので、次の日曜日に出撃しようと思案している。
俺の日常と弟子との出会い
戦いに備え、自宅のパソコンで無料モードを利用してのブラックジャックのレクチャーをしているが、彼は飲み込みがとても悪い。基本戦略表を渡して、表を見ながら最初は打てば宜しいと伝えたが一向に表が頭に入らないようだ。何時まで経っても表を手放さない。
彼にはBJを打つセンスが無いと俺は考え、早々にバカラを打つように指示をした。直感での勝負に成るが、彼にはその才能が有ると踏んだのだ。プレー初日、バカラで結果を出していたのがその根拠だ。
彼の打ち方を観察しているが、助言が殆ど要らない張り方をしている。初回入金は300ドル。BJを少し遊戯した関係上270ドルまで下がってしまったが、彼は賭け金の配分を本線にしかしていない。サイドに張るのは確率論から観ても止めるべき張り方だからである。
所詮無料モードだから現金の出し入れは無いのだが、彼は真剣その物だ。当然俺も真剣にレクチャーしているが、賭博に正解は無い。運、総じて本人の運次第なのだ。運の良いときは厚く張り、運の無い時は最低ベットで打たれる。これが基本だと叩き込んでやった。
彼は、俺と知り合う前に一度もカジノというものに手を出した事も無いし、バカラやブラックジャックというゲームの存在すら知らない珍しい人種だった。この様な人間にカジノの魅力を植え付け、それを職業として成り立つ様にしてやるのは正直難しいと考えているが、乗りかかった船だ。短時間で彼を仕上げて、俺自身の負担を軽くしたい。
無料モードでゲームをプレイさせて早2時間。午後3時に成った所で、常連の歌舞伎町に標準を合わせて攻撃態勢に移る。
歌舞伎町一番街の看板下に移動し、まずは彼に兵隊を貸与する。金額は前回と同額の4万円だ。何故ここで、と思うかもしれないが店中で貸与するのは、彼の恥を晒す様なものだ。これでも俺は気を使っている。
事前に報酬について確認をする。勝利を収めたら、貸与した兵隊と、もぎ取った捕虜の50%を返金してもらう。兵隊が減った場合はお咎め無しと伝えた。彼に託すと言う賭博を俺はしているのだから、報酬がある程度渋くなるのは仕方の無い事だ。
今回の攻撃対象は雑居ビルの2階に店舗を構えている。エレベーターで登り、奥の狭い空間にある敵の門をたたいた。いつもは孤独な進軍だが、今回は弟子との共闘だ。攻撃力は2倍、なんてわけのわからない事を頭で念じ入場する。
俺が今回攻撃するゲームはBJにした。キャッチボールの禁止をデカク掲げている店舗だから、それをしなくても、勘違いされては腹が立つからだ。弟子は俺の指示通り、バカラに攻撃対象を絞っていた。帰還の目安は、4,000円以上の勝利か10,000円の敗北と伝えてある。それを忠実に守ってくれさえすれば問題ない。
ゲーム内容は端折るが、結果は上出来だった。彼は、大幅にプラスを出して、4万円を倍の8万円にしてしまったのだ。俺の成績はお話にならない。5万円の兵隊を投下して6万円にしただけである。日当1万円と考えれば、上出来だがね。
約束通り、貸与した資金と利益の半分2万を回収し、彼の残高は2万円に成った。これで、サウナに泊まれるだけの資金は貯まったことになるので、今夜からサウナに泊まる様に薦めた。正直言って、男2人で狭い部屋で寝るのは辛いものが有った。資金がまだまだ少ない彼に、俺は資金援助を約束して、歌舞伎町のサウナを案内した。彼が無事に入場したのを見届け、帰宅の途に着いた。
その深夜、突然携帯電話が鳴った。発信元は彼だ。何事かと思い出てみると、彼は、感謝の言葉と共に別れの言葉を述べ始めた。「とても短い間で有ったが、佐藤さんの力で、私は生きる力を頂きました。これからは汗をかいて、お金を得る事を最優先にします。有難う御座います」と、突然の報告だった。
どうやらあの後ネットカフェに移動し、就職先を探したようだ。
確かに道楽で飯を食おうなんて、常人にはストレスがたまる行為だろう。「カジノは遊びで頑張りますので又、ご指導お願いします。住み込みの仕事を探しましたので、採用されましたら千葉に向います。ありがとう御座いました、本当に有難う御座いました」と、繰り返し礼を言い電話を切った。
彼の後日談は情報が入り次第報告する。少なくとも一人の人間を迷宮から救った事は確かだろう。
この物語はフィクションです。あくまでも「読み物」としてお楽しみいただくためのものであり、インカジ(カジノカフェ)を奨励するものではありません。
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