ポーカーで7番目に強い位置づけで比較的出現確率が高い役「スリーカード」は、よく登場する「ワンペア」「ツーペア」に勝てることから、しばしば勝負役として用いられます。またスリーカード狙いから「フルハウス」「フォーカード」などの上位役への発展も期待できる魅力的な役でもあります。
ここでは「スリーカード」の出現確率、成立条件、強さ、実践での活用方法など詳しく解説します。
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ポーカーのスリーカードとは?
カードの組み合わせ
スリーカードの強さ
ポーカーのスリーカードの出現確率
初心者でもできる!スリーカードを狙うための戦略
スリーカードの実践例
ポーカーのスリーカードまとめ
ポーカーのスリーカードとは?
ポーカーの「スリーカード」は5枚の手札の中で同じ数字を3枚(スリーカード)揃えると成立する役です。1位~5位までの上位役に比べると完成確率が高く中間程度の強さがあるため、実践では勝負役として活躍する頻度が高いのが特徴です。
また、「スリーカード」は和製英語であり、「スリー・オブ・ア・カインド」という正式名称があります。カジノやポーカーの大会では正式名称が使用されますので注意が必要です。
カードの組み合わせ
「スリーカード」の組み合わせは3枚の同じ数字を揃えると完成ですので、ドローポーカーではカード交換後の手持ちの5枚のうち3枚、テキサスホールデムでは手持ち2枚とコミュニティカード5枚の合計7枚のうち3枚が同じ数字ならば完成です。
例)ドローポーカー:交換前「♥K」「♦10」「♠5」「♥5」「♠3」→交換後「♠J」「♦9」「♠5」「♥5」「♦5」
例)テキサスホールデム:手札「♥K」「♦K」コミュニティカード:「♠K」「♥6」「♦4」「♥8」「♦2」
スリーカードの強さ
スリーカードの強さの序列は7番目ですが、上位役の完成確率が極めて低いため、実践ではスリーカードが完成すれば勝つ確率が高い中位役と言えます。この後、各役の具体的な数字(完成確率)を比較しながらさらに詳しく解説します。
スリーカードが勝てる役
スリーカードが勝てる役は「ハイカード(ブタ)」、「ワンペア」、「ツーペア」の3種類です。
3種類だと少なく感じますが、手札交換後、もしくはリバー後の3種類の出現確率合計は「84.73%」になるため、多くはスリーカードよりも弱い役です。よって、スリーカードが完成すれば高確率で勝てることになります。
ちなみに、テキサスホールデムの「リバー」で上記3種類が完成する確率は、「ハイカード(ブタ):17.41%」、「ワンペア:48.74%」、「ツーペア:23.5%」です。
勝てる役 | 説明 | 最初の5枚での出現確率 |
---|---|---|
ツーペア | 異なる数字のワンペア2組で構成される役 | 約4.75% |
ワンペア | 同じ数字のカード2枚で構成される役 | 約42.25% |
ハイカード | 役なし。「ブタ」ともいう。 | 約50% |
スリーカードが負ける役
スリーカードが負ける役は「ロイヤルストレートフラッシュ」「ストレートフラッシュ」「フォーカード」「フルハウス」「フラッシュ」「ストレート」の6種類です。
6種類もあると、ほとんど勝てる気がしませんが、手札交換後、もしくはリバー後の6種類の役の出現確率合計は約「10.6%」しかないため、スリーカードが完成すればあまり負けることはありません。
ちなみに、テキサスホールデムの「リバー」で上記6種類が完成する確率は、「ロイヤルストレートフラッシュ:0.0032%」「ストレートフラッシュ:0.027%」「フォーカード:0.16%」「フルハウス:2.6%」「フラッシュ:3.25%」「ストレート:4.62%」です。
役の名称 | 説明 | 出現確率 |
---|---|---|
ロイヤルストレートフラッシュ | 同じスートの10・J・Q・K・Aで構成される役 | 約0.00015% |
ストレートフラッシュ | ストレートとフラッシュが同時に完成する役 | 約0.00139% |
フォーカード | 同じ数字のカード4枚で構成される役 | 約0.024% |
フルハウス | スリーカード1組とワンペア1組で構成される役 | 約0.14% |
フラッシュ | 同スート5枚のカードで構成される役 | 約0.2% |
ストレート | 連続する5枚のカードで構成される役 | 約0.4% |
ポーカーのスリーカードの出現確率
スリーカードの出現確率はテキサスホールデムの「フロップ(コミュニティカード3枚)」では「2.11%」です。50回に1回はカード追加前に完成していることがあります。さらに「ターン(コミュニティカード4枚目)」、「リバー(コミュニティカード5枚目)」と2枚のカードが追加され、リバーで完成する確率は「4.83%」となります。約20回勝負すれば1回は完成することになります。
また、最初に配られた手札2枚が同じ数字であることを「ポケットペア」と呼び、出現確率は「5.889%」です。ポケットペアの場合、フロップ時にスリーカード以上の役が完成する確率は「12.7%」もあり、スリーカード完成もしくはそれ以上の役が完成する可能性もあり、大チャンスと言えます。
あるいは手札の2枚が異なる数字でも、フロップのコミュニティカードに同じ数字が2枚出る確率は「16.9%」で、その数字が手札のどちらか1枚と同じ数字ならばスリーカード完成です。
初心者でもできる!スリーカードを狙うための戦略
ここではポーカーで最もメジャーなテキサスホールデムを例に基本的な戦略例を解説します。スリーカードを狙って勝つには、手札とコミュニティカードの適切な状況判断とアクションが必要です。
最初の2枚のカードが同じ数字であるかを確認する
ディーラーから最初の2枚が配られた状態を「プリフロップ」と言います。まずは2枚のカードを確認し「ポケットペア(同じ数字)」であればスリーカード以上を狙って「コール(同額を出す)」か「レイズ(上乗せする)」してください。
もし「ポケットペア」ではなくても「スーテッドカード(同一スート)」や「コネクター(連番)」や「1枚以上のA」の場合は別の上位役が完成する可能性があるためコールかレイズを行いますが、次のアクション「フロップ」以降、コミュニティカードの出現カード状況からスリーカードへの変化が生じる場合があります。
コミュニティカードの状況を見る
「プリフロップ」の次のラウンドからコミュニティカードの状況に応じてアクションを決定します。「フロップ(3枚)」や「ターン(4枚目)」でスリーカードが完成したら「レイズ」してスリーカードの上位役である「フルハウス」や「フォーカード」を狙ってみましょう。
「リバー(5枚目)」でスリーカードが完成しなかった場合、ブラフ(ハッタリ)で他のプレイヤーをフォールドさせる、あっさり諦めて自分がフォールドする、ショーダウンして役の勝負をする、の3拓になります。
ブラフを使いこなす
「ブラフ(ハッタリ)」を使って「フォールド(降ろす)」させるにはコツがあります。
ここまでの勝負で好調に勝てている状況で、何も揃ず自分が負けている可能性が高い場合、ブラフを使い堂々とレイズを繰り返せば、「また良い役が出来ている」「あいつは好調だ」と思わせ、フォールドさせる確率がが高くなります。
このような行為を「ピュアブラフ」と呼びます。ただし、頻繁に行うと見破られてしまうので、タイミングを考えましょう。
他には、あと1枚でスリーカード、フラッシュ、フルハウスなど、良い役になりそうな場合、ターン、リバーへ移行するタイミングで少し強気にレイズしてみましょう。このような行為を「セミブラフ」と呼びます。
スリーカードの実践例
ポーカーの実践では複数人が「スリーカード」になる場合があります。稀にコミュニティカードでスリーカードが完成すると、参加者全員にスリーカード以上が確定します。ここでは実際にどのようなケースがあり、勝敗をどう決めるのかを解説します。
スリーカード同士の強さの比較
あなたの手札が「ポケットペア」の場合、コミュニティカードに手札と同じ数字のカードが出ていればスリーカードが完成しますが、他のプレイヤーも別のコミュニティカードで同様に完成している場合があります。このようにスリーカード同士の勝負になった場合はスリーカードの数字が大きいプレイヤーが勝ちになります。
別のケースでは、コミュニティカードに同じ数字のカードが2枚出ていて、それと同じ数字のカードを1枚ずつ2人のプレイヤーが持っていた場合、同じ数字のスリーカードで勝負することになります。このように同じ数字のスリーカードの勝敗は、スリーカードを除くカードの内、大きい数を持っているプレイヤーの勝ちになります。
スリーカードを除くカードの数字が同じで決着しない場合は引き分けとなります。
数字の強さ:A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2
ポーカーのスリーカードまとめ
同じ数字を3枚揃えれば完成する「スリーカード」は、比較的完成しやすく、完成すれば高確率で勝利できる役であることを解説しました。実践で手札2枚が「ポケットペア」だったら積極的にアクションしてください。
スリーカードはもちろん、「フルハウス」や「フォーカード」の上位役のチャンスもあります。ただスリーカードが完成しなかった場合、たまには「ブラフ」で頑張るのも良いでしょう。反面「フォールド」する勇気も大切です。ブラフに失敗して大敗するよりも、損失を少なくしてゲームに参加する回数を増やした方が勝てる可能性が高まります。