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英国最大の ブックメーカーである ウィリアムヒル(William Hill)は、ロックダウン(都市封鎖)で営業停止していたベッティング店舗のうち、119店舗をそのまま閉店することを発表しました。

欧州各国で実施されていたロックダウンにより、ベッティング店舗の一時休店を行っていたウィリアムヒル。

5月には、ロックダウンの緩和により、 7月からの再開を目処に準備を進めている話しもありましたが、そのうち英国ハイ・ストリートにある119店は営業再開はせずにそのまま閉店することが決まりました。

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回復を見せるものの、元に戻らない売り上げ

ウィリアムヒルは、英国に1,500ベッティング店舗を構える老舗ブックメーカーで、以前までは スポーツベットのために好きなスポーツチームに賭けたい人たちで店舗が溢れていました。

しかし、ロックダウンによる店舗の一時休業で、300人もの従業員が影響を受けており、ほとんどの従業員が他店舗への異動を強いられることになりました。

ウィリアムヒルは、ロックダウン緩和により営業を再開し始めたことで売り上げの回復を見せており、一時帰休の制度導入にかかった資金、2,450万ポンド(約33億円)の返済にすでに成功しています。

しかし、それでも多くの試合が中止になった影響により、2020年前半の売り上げは前年比で49%減少となっています。

ベッティング店舗での売り上げは、1億4,690万ポンド(約200億円)で、前年の5億1,500万ドルよりも大幅に減少を見せています。

現在10か国に進出をするウィリアムヒルは、世界規模で1万2千人の従業員を抱えており、英国内では7千人の従業員がいます。

今回の119店舗の閉店について、ウィリアムヒルは、

「ベッティング店舗の利用者数が、ロックダウン前の水準に長く戻らないことが予想されることから、英国内の119店舗を閉店することになりました。閉店した店舗で働いていた従業員のほとんどが、他の店舗に異動しています。」

と、コメントしています。

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店舗営業からオンラインスポーツベットに移行

今回、ハイ・ストリートの店舗の閉店に至った理由には、ハイ・ストリートのような人通りの多い場所で実店舗を構えるためにかかる費用に、ウィリアムヒルがメリットを見出せなくなったことも影響しています。

昨年には、英国で固定オッズマシン(fixed odds betting terminal: FOBT)の賭け限度額が100ポンドから2ポンドまで引き下げられたことを理由に、ウィリアムヒルでは実際に700店舗を閉店しています。

Begbies Traynor社のパートナー ジュリー・パーマー(Julie Palmer)氏は、「(ロックダウンの影響により)ベッティング店舗が利用できなくなったことから、多くの客がオンラインベッティングに移行しており、オンラインベッティングがブックメーカーにとって新しい市場となりつつあります。」

「しかし、この競争の激しい業界で、ウィリアムヒルが店舗営業中止による損失額を補うためには、最新技術の導入や新しいサービスの提供に投資をすることが必要となります」

と述べています。

またウィリアムヒルでは、アメリカでスポーツブックが州ごとに規制緩和が進んだこともあり、アメリカでのサービス拡大も検討しています。

海外進出とオンラインへの移行により、ウィリアムヒルは海外でのビジネスを17%拡大させています。

ウィリアムヒルの最高責任者 ウーリック・ベングトソン(Ulrik Bengtsson)は、

「このようなご時世でも、利益を維持し続けるウィリアムヒルを誇らしく思います。苦しい状況下でも、私たちのチームはお互いを助け合うなど、素晴らしいチームワークを見せてくれました。私たちは、スタッフのたゆまぬ努力に感謝したいと思います。」

「また私たちは、一時帰休の制度を導入することで、7千人のスタッフの雇用を守ってきました。ロックダウン後の回復により、この制度の資金を払い戻すこともできています。」

と、前向きなコメントを残しています。

一方、 バーチャルスポーツのベッティングや eスポーツのベッティングは、ロックダウン中に急激な成長を見せ注目を集めています。今後の eスポーツなどの新しい分野がスタンダードにもなると予想されているようです。スポーツのイベントが、以前と同じように開催されるまでに、ベッティング業界がどう変貌していくかは、今後も注目です。

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